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【広告業界ES書き方ガイド】読まれるESのポイントを徹底解説!

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広告業界ES書き方ガイド

色々な業種があり、華やかなイメージのある広告業界。世界的なプロジェクトに携われたり、多くの人の目に触れる広告や、流行につながるコンテンツを生み出す仕事ができます。

広告業界を目指したいと考えている学生の中には、ES(エントリーシート)で何をアピールしたらいいのかわからない、求められている質問へ何を回答していいのかが分からないという人もいるのではないでしょうか?

そんな人のために、実際に広告代理店のESで出題された質問と、ES選考を突破した人がどのように回答したのかをポイントと合わせてご紹介していきます。

広告業界の採用動向や面接対策など、詳しく知りたい方は「広告業界研究」の記事をチェックしてみてください。

広告代理店のESで実際に出た設問

広告業界ES書き方ガイド

1学生時代に一番力を入れたことを教えてください。(各社共通)

2これまでに取り組んできたことが合計100%となるように要素を分解してください。5つの項目すべてを埋めなくても構いません。(2020年 電通)

3現在のあなたを形成している、人生の3大エピソード(体験)を挙げてください。(2020年 電通)

4未来のあなたを約束してください。あなたが指名したい相棒社員が見ることを念頭におきながら、いちばん説得力のある方法でお伝えください。(2019年 ADK)

5あなたを一言で言うとどんなひとですか?その理由について3つキーワードを挙げ、それぞれ100文字以内であなたの経験を交えながら具体的に説明してください。(2020年 博報堂)

6自己PRについて(各社共通)

設問例1:学生時代に一番力を入れたことを教えてください

この質問は、ほぼ全ての企業で毎年出題されている質問で、通称「ガクチカ」とも呼ばれています。

この質問では、下記3点が見られています。

  • 経験・実績自体のインパクトがどれだけあるか
  • 記載内容から「思考力・モチベーションの源泉・人柄」を示すことができているか
  • 企業で活かせる学びを得ているか

部活動やボランティアなどの活動を行なっていない学生も、アルバイトやゼミなど日常生活の中で頑張ったことを振り返り、きちんと説明することでES通過につなげましょう。

 

特に広告代理店のESの選考においては推進力や発想力といったポイントが重視される傾向にあります。経験のインパクトに自信がない人も、見つけた課題に対してどのようなアイデアで解決に導いたかというプロセスをわかりやすくまとめることで、採用担当者の印象に残すことができます。

回答例

学業では「英語の習得」。長期留学検討のため、大学1年生の春休みに1か月間アメリカに語学留学を行った。授業内外で勉強していたが、現地では想像以上に喋れずショックを受けた。語学学校のクラスメイトとの会話から「読む」以外の能力の欠如に気付き、「話す・聴く」能力の向上に特化するため、(1)街に多く出掛け、メモを使ってでも英語を使う使うこと、(2)ホームステイ先で子供向け・字幕付きのテレビ番組を視聴、という対策をとった。結果、1か月後には基本的な会話が出来るようになり、自信がついた。

課外活動では、「フリーペーパー制作のシステム改革」。学生向けフリーペーパーの編集長を務めた際、メンバー間に存在した制作スキルの差を埋めることで冊子のレベルを向上したいと考えた。1人ずつとの話し合いの結果、教える側が責任を持って付きっ切りで指導出来る「ペアでの制作」を提案。日程調節などの手間がかかるとして否定的な人もいたため、制作段階においてペアで制作していない人に対しては自分自身が仮のペア役としてフォローし、効果を示そうと考えた。その際、話し合いで挙がっていた”教えてもらう申し訳なさ”を感じさせないよう、訊きやすい雰囲気に気を付けた。結果、質の向上はもちろん、メンバーにも好評で当初否定的だった人にも受け入れてもらえた。これ以降多くの号がペアで冊子制作された。仕事でも解決すべき点を客観的に分析することで、自分の意見に根拠を持ち、壁にぶくかっても行動し続けていきたい。(626字)

 

このように自分が頑張ってきた経験を具体的に、「どんな課題に対して」「どんなアイデア(解決策)で」「どんな結果を導いたのか」また「そこから何を学んだのか」「どう活かしたのか」までしっかり落とし込めるとより良いでしょう。

 

☝️現役人事のワンポイント

広告業界では、特別な経験や、他の人が行なっていないようなアイデアを発想したことが評価につながる傾向にあります。

色々なガクチカの回答事例を見ながら、自分らしい経験を自分の言葉でまとめましょう。

設問例2:これまでに取り組んできたことが合計100%となるように要素を分解してください。

これまでに取り組んできたことが合計100%となるように要素を分解してください。5つの項目すべてを埋めなくても構いません。(2020年 電通)

この質問は、上述のガクチカと似ていますが、あなたが学生時代にどのように過ごしてきたかと、何に関心を持っているかが問われています。

この質問では、下記2点が見られています。

  • 自分のことを客観的に分析できているか
  • 様々なことに関心を持っているか

一番頑張ってきたこと以外にも、様々な取り組みを聞かれるこの質問では、より学生の人柄や考え方を知ることができる質問になっています。

詳細を答える質問ではないですが、次の面接で質問されることを想定して、具体的に回答できる内容を挙げることもポイントです。内容を聞きたくなるような項目名に工夫をしてみましょう。

回答例1

受験生向けのサイトを運営60%観光案内所のボランティア 15%、学園祭の模擬店運営15%、趣味の野球観戦 5%、アルバイト 5%

回答例2

プログラミング25%、大学の勉強40%、アウトドア15%、その他の勉強10%、ゲーム10%

 

回答1の回答は、どのようなサイトか、具体的にどんな作業をしていたのか、なぜそれをやろうと思ったのか・・・など、企業の興味を惹く項目になっています。

このように「何だろう?」と思わせるような項目があると、他の他の就活生との差別化を図ることができます。

 

☝️現役人事のワンポイント

面接で自分のどんな面をアピールしたいのかを考えて、そこから逆算して考えると良いでしょう。

設問例3:現在のあなたを形成している、人生の3大エピソードを挙げてください。

現在のあなたを形成している、人生の3大エピソード(体験)を挙げてください。(2020年 電通)

この質問では、学生時代に打ち込んできたことだけではなく、あなたが幼少期からどのような体験をして現在につながっているのかを問われています。

この質問では、下記2点が見られています。

  • あなたが自身、何を強みに感じているか
  • これまでの経験を学びとして捉えられているか

    これまでの学生時代のエピソードだけでなく、自身を小さい頃から振り返ってみて、現在につながっているポイントなどを見つけてみましょう。

    他の質問での回答と一貫性がある内容を書けると、よりあなたの人柄がわかり、採用担当者からも「面接でもっと話を聞いてみたい」と感じてもらえるでしょう。

    回答例

    【①なんでも知りたがり】子どもの頃に電車が大好きだった。日本で走っている電車の名前が知りたくて、頼み込んで親に電車の本を買ってもらった。本を読むことで世界が広がる気がして、以来色んな本を読んだ。知りたくなって本を読んで、また知りたくなる。今でも「スマホ脳」から「資本論」まで様々な本を読む。 【②立ち止まらず、探し続ける】高校卒業した春、ある動画との出会いがあった。スティーブ・ジョブズによるスタンフォード大学卒業式でのスピーチである。「好きなものが見つかるまで探し続けなさい」何気ない日常に満足していた私は、その日を境に常に新しく刺激のあるものを探し続けるようになった。 【③頭でだめなら足を使う】新聞の営業バイトで全く契約がとれず、考えてもダメならと私は足を使うことにした。マンションを狙い、訪問数を稼いだ。「うち何件目?」と言われ「84件目です。」と答えた。「頑張ってるなぁ、じゃあ取るよ」と言われ、初の契約成立を達成した。(415字)

     

    ☝️現役人事のワンポイント
    文字数の多い回答枠のため、文章の中に小見出しのようなものを作ると読みやすい回答に!内容の面白さと合わせて検討してみよう。

    設問例4:未来のあなたを約束してください。

    未来のあなたを約束してください。あなたが指名したい相棒社員が見ることを念頭におきながら、いちばん説得力のある方法でお伝えください。(2019年 ADK)

    この質問は、これまでのあなたについてではなく、これからあなたがどのように会社で活躍していきたいと考えているのかが問われています。

    この質問では、下記2点が見られています。

    • これから広告業界で働く中で、何をすべきなのか理解しているか
    • 自身の強みを業務と紐付けて考えられているか

    広告業界での仕事内容を把握し、自身の考えをまとめて働いている未来を描いてみましょう。

    そのためにはOB訪問などで実際に働いている人の意見を聞いて具体的な業務内容を理解することで回答がより説得力のあるものになります。

    また、広告についての理解も深め、本質的な回答につなげましょう。

    回答例

    【アイデアで人の心を動かし続ける】今の私は広告業界に憧れを持ち、自分が携わった広告で人の気持ちを動かしたり、人に行動してもらいたいと考えています。アウトプットのためにはインプットが必要ですが、自分にはまだ知らないことが多すぎると感じています。そのためさまざまなプロフェッショナルが集まる「ADK」という環境で業務を通じて成長をしていきたいです。

    →20年後にはCMプランナーになっています。変わらず自己成長のためのインプットをおこない、常に「どうしたら人の気持ちを動かすことができるか」を考え、ベストなアウトプットを生み出し続ける人材になります。決まった秒数の中で何を表現すべきか。クライアントに新しい世界を提案し、「〇〇さんの作るCMが好き」と社内でも信頼されるよう学び続けます。(340字)

     

    ☝️現役人事のワンポイント
    実際に働いたことのない就活生(インターン経験を除く)だと、広告業界での業務の本質の部分までイメージすることが難しいと思います。この回答でどこまで広告の仕事を理解できているのかアピールするためにも事前調査をしっかりと行いましょう。

    設問例5:あなたを一言で言うとどんな人ですか?

    あなたを一言で言うとどんな人ですか?その理由について3つキーワードを挙げ、それぞれ100文字以内であなたの経験を交えながら具体的に説明してください。(2020年 博報堂)

    この質問は、あなたの人となりが伝わるキーワードの選定100文字という短い文字数での簡潔な紹介を求められています。

    この質問では、下記2点が見られています。

    • 自身のことを客観的に理解できているか
    • 短い文章で紹介をする文章力

    自身のエピソードを交えながらあなたのことを分かりやすく紹介する内容にまとめてみましょう。

    分かりやすく、更に詳しく知りたくなるような文章にまとめることがおすすめです。

    回答例

    私は、『鷹の目をもち幅広い視野で観察する人』です。 

     

    キーワードA. 「チーム」 

    サッカー部において、主務としてチーム全体の状況を理解しチームの課題、選手の課題を解決できるようにスケジュールを組んだり、対戦相手を選んだりした。 

    キーワードB. 「人」 

    ジムインストラクターのアルバイトにおいて、お客様の体、運動に対する悩みを仕事、食事、運動歴、リスクなど広い視野でお客様を分析することでお客様にあった解決法を提案している。

    キーワードC. 「課題」

    学業のプログラミングにおいて、課題に対して全体を分析し様々なアプローチを考え実行し、検証改善を繰り返して一番良いプログラムを作成してきた。

    ☝️現役人事のワンポイント

    興味を惹くようなキャッチーなフレーズやキーワードを使用できると良いです。ただし、そこを意識しすぎて、質問の本質から逸れてしまうのは本末転倒なので要注意。

    また文字数が限られている回答枠のため、できるだけ簡潔にあなたの人柄を伝えることが求められています。面接での回答も想定して文章の構成を考えましょう。

    自己PRの書き方

    自己PRの書き方

    自己PRの本質とは?

    就活において必ず考えなければならないのが「自己PR」です。自己PRにて就活生が企業にアピールすべきことは「自分が企業にとって採用しないと”損”をする人材である」ということです。

    企業が自己PRを聞く理由は大きく2つと言われています。

    自社の求める強み・スキルを持っているか

    就活生が自社に利益を生み出してくれるかを企業は知りたいと考えています。様々な企業では「自社の利益創出に貢献してくれる人材」を求めて採用活動を行っています。

    その中で就活生から強みやスキルを聞き出して、採用基準に合っているかを見ています。そのため、就活生は企業の採用基準に合った人材であることをアピールすることが重要になります。

    人柄が自社にマッチしているか
    企業が就活生の人柄を知りたい理由は「社風を含めて社内外の人間と良好な関係性を築くことができるか」という点です。

    企業側は就活生の自己PRを見てキャラクターや価値観が企業のカルチャーとマッチしているかどうかを検証しています。

    特に広告業界ではひとりで業務を行うことがほぼなく、社内外の人との関わりが必須になるため企業側としてはスキルだけでなく人柄も同様に採用のポイントとしてみています。

    自己PRを書くためのポイント

    求める人材に即した「強み」を決定する

    企業へ自身の強みを伝える場合、企業のビジネスモデルを理解した上でどのような強みを求めているかを考え、自分の経験などに結び付けて伝えるようにします。

    自己PRは大きく分けて3つに分類することができます。

    ・個人として努力し、成果を上げることができる
    ・関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行までを行うことができる
    ・今までにない仕組みや企画を提案し、周囲と協力しながら実現できる

    アピールしたい「強み」を論理的に述べる

    上記でまとめた自身の強みをより企業に対してわかりやすく伝えるために、下記の流れにまとめるとスムーズです。

    (1)強み:あなたの強みは?

    (2)強みの原点:強みが形成されたきっかけは?

    (3)強みを表す具体的エピソードは?

    (4)強みの方法論:強みを発揮するために意識していることは?

    (5)強みの活かし方:その強みを入社後にどう活かすか?

    引用:unistyle

    ※自己PRを書く際のポイント

    ・注意点 ・アピールする強みに再現性を持たせること
    ・学生時代に頑張ったことと混同しないこと
    ・書き出しと締めの部分を意識すること

    広告代理店はどんな人材を求めているのか

    広告業界の求める人材

    • 自分が興味のある領域についてアウトプットをすることが好きな人
    • いろいろな人とコミュニケーションを取れる人
    • 自分の考えをまとめて意見することができる人
    • 環境の変化に柔軟に対応しながら業務に取り組める人
    • 目標に対して常に向き合い続けることができる人

    企業ごとに採用傾向はみられるものの、コミュニケーション力とアウトプットをする能力、目標に対して向き合い続ける能力はどの企業でも求められます。

    しっかりと自分のこれまでを振り返り、なぜその会社を志望しているかを具体的に説明できるように対策をしましょう。

     

    自己PRはあなたのこれまでの回答と合わせて広告業界、対象会社への志望度を見られるポイントとなります。これまでの回答との一貫性があるかなどを考えた上で作成して、全体として完成度の高いESに仕上げていきましょう。
    インタビューに答えてくれた人
    現役人事担当者

    元広告代理店勤務。現在はベンチャー系人材企業の人事を担当。

    様々な業界の人事を担当し、年間100名を超える学生と会っているため採用動向に詳しい。

    監修者画像

    監修者gen

    1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。